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交通局長年頭挨拶

警察庁交通局長  石 井 隆 之

  謹んで新年の挨拶を申し上げます。
  皆様方には、日頃から陸上貨物運送事業にかかる交通事故防止対策につき、格別な御配慮をいただきますとともに、警察行政の各般にわたり、深い御理解と多大な御支援をいただいており、厚く御礼を申し上げます。
  また、東日本大震災の復旧・復興対策につきまして、救援物資の輸送など、被災地域に寄り添った思いやり溢れる活動に対し、心から敬意を表する次第であります。
  さて、平成23年中の交通事故情勢につきましては、死者数が11年連続で減少となったほか、発生件数及び負傷者数も過去最悪であった平成16年から引き続き減少しております。
  これも皆様方を始めとする、関係各位の御尽力の賜であると改めて感謝する次第であります。
  御承知のとおり、昨年3月に、政府の第9次交通安全基本計画が策定され、「平成27年までに交通事故死者数を3,000人以下とし、世界一安全な道路交通を実現する」との目標が掲げられました。この目標を達成するためには、平成22年中の死者数を基準に考えますと、毎年平均で約9.2%以上の減少率を維持し続ける必要があります。
  しかしながら、昨年11月末現在での減少率は、3.7%とこれを大きく下回っております。また、個々の交通事故事件に目を向けてみますと、交通事故死者数の約半数を65歳以上の高齢者が占めているほか、未だ飲酒運転等の悪質違反に起因する交通事故によって、多くの尊い命が犠牲となるなど、決して予断を許せない情勢であり、計画目標の達成はより一層の努力が必要となります。
  警察といたしましても、交通事故死者数の約半数を占める高齢者への対策を始め、一層の交通死亡事故抑止対策を推進することとしております。
  このような情勢の中、特に最近では、東日本大震災による交通の混乱等を機に、利用者が増加している自転車に、多くの注目が集まっております。
  警察では、これまでも、安全な自転車利用環境の実現に向け、その時代や交通情勢に応じた安全対策に尽力して参りましたが、自転車関連事故の全交通事故に占める割合が、近年増加傾向を示しているほか、自転車利用者のルール・マナー違反に対する国民の批判の声が後を絶たず、自転車の通行環境に対する更なる整備充実も求められております。
  今後、これまでの対策の着実な定着を目指し、その方法や効果を点検しつつ、「自転車の通行環境の確立」「自転車利用者に対するルールの周知と安全教育の推進」「自転車に対する指導取締りの強化」を主な柱とする総合対策を推し進め、良好な自転車交通秩序の実現を図り、更なる交通事故犠牲者の減少を目指して参ります。
  もとより、交通死亡事故抑止は、ひとり警察のみで達成できるものではなく、関係機関・団体との緊密な連携による官民一体となった取組みが不可欠であることは申すまでもありません。
  とりわけ、貨物輸送事業においては、職域における日々の交通安全教育が極めて重要と考えており、皆様方におかれましては、個々の運転者が一般ドライバーの模範となるよう、適切な運行管理や運転者教育を実施していただくなど、なお一層交通事故防止対策を推進していただきますようお願い申し上げます。
  結びに、貴協会のますますの御発展と皆様の御健勝、御多幸を祈念いたしまして、新年の挨拶とさせていただきます。