トップ > 年頭挨拶 > 厚生労働省労働基準局長年頭挨拶

平成25年労働基準局長年頭所感

厚生労働省労働基準局長  中野雅之

  あけましておめでとうございます。
  新年を迎え、皆様の御健康と御繁栄を心からお祝い申し上げます。
  平成25年の年頭に当たり、改めて日頃の労働基準行政へのご理解とご協力に感謝申し上げますとともに、労働基準行政に対する所信の一端を述べさせていただきます。

  労働基準行政の主な役割は、労働基準法等に基づく労働時間や賃金等労働条件の確保、労働安全衛生法等に基づく労働者の健康と安全の確保、労災保険法に基づく迅速な救済です。
  本年も働く方々の健康や生活を守るため、労働基準行政としては、的確な監督指導等を通じ、次のような施策を中心に取り組んでいきます。

  第1に、労働契約法の着実な施行です。
  労働契約法については、平成23年12月の労働政策審議会建議「有期労働契約の在り方について」を踏まえ、昨年の通常国会に改正法案を提出し、8月に可決・成立しました。今回の法改正により、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換するルールの導入や、最高裁判例で確立した「雇止め法理」の法定化、有期契約労働者と無期契約労働者との間で、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の相違を設けることを禁止するルールが導入されることになります。
  改正法は、有期労働契約における雇用の不安定さや待遇の格差、職業能力形成の不十分さといった課題に対処し、働く人が安心して働きつづけることができる社会を実現するためのものであり、本年4月の全面施行に向け、こうした趣旨や内容についてしっかりと周知を図り、着実な施行に取り組んでいきます。

  第2に、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組です。
  ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた課題として、特に、長時間労働の抑制、年次有給休暇の取得促進に取り組む必要があると考えています。
  このため、長時間労働の抑制については、特に労働時間が長い業種や職種に重点化を図りつつ、働き方・休み方の改善に向けた助言・指導や助成に取り組んでまいります。また、過重労働による健康障害防止のため、監督指導等を適切に行っていきます。
  年次有給休暇については、計画的付与制度の活用などによる取得促進を図るため、労使の自主的な取組を推進するための支援をより一層図っていきます。

  第3に、職場のパワーハラスメント対策の推進です。
  職場のパワーハラスメント対策の推進については、適切な労働条件を確保する観点から、労働行政にとって重要な課題であると認識しています。
  このため、昨年は、「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」を取りまとめ、この問題に取り組む社会的な気運を醸成するための周知・広報に取り組むとともに、職場のパワーハラスメントに関する実態調査を行いました。
  今後は、この調査結果なども踏まえ、取組が進んでいない中小企業をはじめとする各企業が、パワーハラスメント対策に着手し、進めていくための取組を支援していきます。

  第4に、東京電力福島第一原子力発電所の事故に係る労働者の放射線障害防止対策です。
  東京電力福島第一原子力発電所では、廃止措置等に向けた作業が行われており、作業員の方の放射線障害防止をはじめとする健康管理が重要な課題です。発電所での作業に従事する方の被ばく低減や線量管理を適切に実施するとともに、緊急作業に従事された方を対象として厚生労働省に設置したデータベースを運用するなど長期的な健康管理を実施します。
  さらに、除染作業等に従事する方の放射線障害防止のために昨年制定・改正した省令とガイドラインに基づき、被ばく線量管理等の対策が適切に実施されるよう指導を徹底していきます。

  第5に、第12次労働災害防止計画の策定です。
  労働災害は、平成22年、23年と2年連続で増加しており、また、平成24年も10月末時点の速報値では、前年同期比で3.8%増と増加傾向が続いています。
  そのような状況の中、平成25年度を初年度とする新しい労働災害防止計画について、現在、労働政策審議会安全衛生分科会でご審議いただいています。
  新しい計画である第12次労働災害防止計画では、重点とする業種を定め、業種ごとに労働災害の減少に向けた目標値を設定するとともに、災害防止のための具体的な取組を記載する予定です。特に第三次産業では、安全衛生管理体制の強化に取り組む他、小売業や社会福祉施設などに対する集中的取組を行うことを考えています。
  このように、新しい労働災害防止計画を踏まえながら、労働災害の減少に向けて、引き続き労働災害防止対策に取り組んでいきます。

  最後に、胆管がん問題への対応についてです。
  昨年、大阪府の印刷事業場で胆管がんが多数発症したことから、全国の印刷事業場の一斉点検を実施しました。引き続き、有機溶剤中毒予防規則等の遵守の指導を行っていきます。また、早期の原因究明のため、引き続き疫学的調査を行うとともに、労働者等からの労災請求に対しても適切に対応していきます。

  厳しい雇用失業情勢が続き、雇用や働き方をめぐる不安がかつてないほど高まりをみせる中、職員一同、全力で労働基準行政の推進に取り組むこととしておりますので、今後とも一層の御理解、御協力を賜りますようお願い申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。