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平成27年 「年頭の辞」

国土交通省自動車局長  田端 浩

 皆様、新年あけましておめでとうございます。
 平成27年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。

 まずはじめに、昨年3月、北陸道上り線の小矢部川SAにおいて、高速乗合バスが停車中の大型トラックに衝突し、乗客・乗員2名が死亡、乗客や衝突されたトラック運転者等の合計26名が重軽傷を負うという誠に痛ましい事故が発生しました。この場を借りて、心よりお悔やみとお見舞い申し上げます。国土交通省としましては、事故後、運転者の体調急変に伴う事故を防止するための更なる対策を講じるとともに、GW期における高速乗合バスの全国一斉点検等の対策を実施して参りました。今後、各種講習会等の機会を捉まえ、現場への浸透・徹底等を図るなど、更なる安全対策の徹底に努めて参ります。
 また、社会的な関心が寄せられているタカタ製エアバッグに係るリコールについては、国土交通省として、自動車の安全上、極めて重要な問題であると認識しており、自動車メーカー及びタカタに対して、未改修車両の早急な改修を進めるとともに、リコール対象になっていない車両についても不具合の有無を調査するよう指導しているところであり、今後とも対応に万全を期して参ります。

 さて、最近の我が国の経済は、緩やかな景気の回復がみられ、デフレ脱却に向け着実に前進していますが、中小企業がほとんどの運輸業界にあっては依然厳しい経営環境にあるものと認識しております。自動車関連の事業に携わっておられる皆様におかれましては、多様化・複雑化する利用者ニーズに対応したサービスを提供するとともに、安全確保や環境保全に対して弛まぬご努力をされておられるところであり、心から敬意を表する次第であります。
 私どもといたしましては、自動車は、社会経済活動に不可欠な、人々の生活にとって最も身近な乗り物であるとの認識の下、国民や社会の安全・安心の確保、経済社会情勢の変化や利用者の多様なニーズへの対応、安定的なサービスの提供、低公害化の推進等自動車行政を巡る様々な課題に対応し、国民の皆様や自動車関連の事業に携わる皆様の期待に応えられるよう、本省自動車局、地方運輸局、沖縄総合事務局、運輸支局等が一体となって、以下のような施策を中心に取り組んで参ります。

 第一は、自動車の安全対策の推進です。
 近年、交通事故による死傷者数は減少傾向にありますが、未だ多くの方々が交通事故の犠牲になっており、交通事故の現状は依然として深刻な状況にあります。このような中、事業用自動車の事故削減に向けた取り組みを一層進めるべく、平成21年3月に策定した「事業用自動車総合安全プラン2009」に基づき、衝突被害軽減ブレーキやデジタコ・ドラレコの普及、運輸安全マネジメント制度の推進、アルコールチェッカーの義務付け等、事業用自動車の事故削減に向けた取組を推進して参りました。 昨年11月には同プランのフォローアップ会議を開催し、人身事故件数・死亡者数半減等の平成30年の最終目標達成に向けて、プランの中間見直しなど今後取り組むべき主要課題や必要な対策について検討を行いました。今後は、国土交通省・事業者など関係者一丸となって、中間見直し後のプランの施策を着実に実施し、事業用自動車の安全・安心の確保に万全を期して参ります。
 平成24年4月に発生した関越道高速ツアーバス事故を踏まえて策定された「高速・貸切バス安全・安心回復プラン」については、平成25・26年度までの2年間にわたって迅速かつ着実に実施し、その実施状況について随時フォローアップ・効果検証を実施して参りました。本年も、本プランにより措置された継続的に監視する事業者の把握や街頭監査を実施し、効率的・効果的な監査・実効性のある処分等を行って参ります。また、昨年3月に発生した北陸道高速バス事故を受け、従来からの運転者の健康管理に係る施策を見直し、「運転者の体調急変に伴うバス事故を防止するための対策」を策定しました。この対策には、@平時からの疾病や過労の未然防止、A運行前点呼時の予兆把握と対処、B万が一の場合にも安全技術等により乗客の安全確保を図るための方策等について、ソフト・ハード両面からの措置を盛り込んでおり、この対策の一環として、「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」を改訂し、健康診断のフォローアップの徹底やきめ細やかな労務管理の徹底等を盛り込み、運行の現場を含めた関係者への浸透・徹底を図っています。これらの施策により、バス事業のより一層の安全性向上及び信頼の回復に向け、取り組んで参ります。
 社会的影響の大きな事業用自動車の重大事故については、昨年6月に設置した「事業用自動車事故調査委員会」において、引き続き、事故原因の調査及び再発防止策の提言を行っていくとともに、国土交通省等関係者においては、提言を受け再発防止策を講じ、現場への浸透を図って参ります。
 海上コンテナの自動車輸送にかかる安全対策については、これまで、国際ルールの策定に関する取り組みを講じてきたほか、一昨年に新安全輸送ガイドライン等を取りまとめ、地方での連絡会議や関係業界による講習会等を通じて、現場への浸透に努めるとともに、ガイドライン等の浸透・取組状況等についてフォローアップ調査を実施して参りました。今後とも、関係者の理解増進に努め、国際海上コンテナ陸上運送の更なる安全性確保を図って参ります。
 自動車のハード面の安全対策については、「平成32年までに車両安全対策により交通事故死者数1,000人削減(平成22年比)」の目標達成に向けて、引き続き、安全基準等の拡充・強化、先進安全自動車(ASV)推進プロジェクト、自動車アセスメントの3つの施策の連携を図りながら推進して参ります。まず、安全基準については、昨年11月より大型のトラック・バスに対する衝突被害軽減ブレーキの装着義務付けを開始し、今後、平成33年11月までに小型のトラック・バスに対しても義務付けを拡大することとしています。また、新たなASV装置である車両安定性制御装置や車線逸脱警報装置のトラック・バスへの義務付けも順次予定しています。ASV推進プロジェクトについては、本年、第5期の取りまとめとして、ドライバ異常時対応システムや通信を利用した運転支援技術に関するガイドラインの策定を進めて参ります。また、自動運転の実現に向けた国際議論にも積極的に参画して参ります。自動車アセスメントについては、本年度より開始した予防安全技術の評価について、車両周辺視界情報提供装置を対象に加えるなど、一層の拡充を図って参ります。
 自動車の検査及び整備については、まず、検査について、不正車検の防止等を図るため、新規検査時等の車両画像取得の運用を引き続き進めるとともに、適切な点検整備を行うための受検者への審査結果情報の提供に努め、今後とも厳正な検査と検査の高度化に取り組んで参ります。また整備について、例年実施している「不正改造車を排除する運動」と「自動車点検整備推進運動」により、街頭検査等を通じて不正改造車を排除し、交通の秩序維持を図るとともに、自動車ユーザーに対する点検整備の必要性の啓発を推進して参ります。特に、点検整備の励行を促す環境を整備するため、車検証備考欄に車検時の点検整備実施状況に加えて点検整備に係る指導の履歴を記載する等の措置を講じて参ります。また、ペーパー車検など悪質な事案に対して厳正に対処するとともに、未認証事業者に対しても適切に対処して参ります。加えて、ハイブリッド自動車をはじめ、新技術を搭載した自動車が増加していることに鑑み、自動車整備技術の高度化等整備事業者の技術的基盤強化を促進するための施策を検討して参ります。
 自動車のリコール制度については、設計・製作等に起因する不具合を早期に発見し、必要な改修等の実施により着実に事故、トラブル等の未然防止を図るため、メーカー等が、適切に不具合情報を収集・分析するとともに速やかに原因究明を行い、ユーザーの視点に立ってリコール届出を行うことが重要です。タカタ製エアバッグに係るリコールをはじめ、メーカー等の適切かつ迅速なリコール届出を促進するため、引き続き、独立行政法人交通安全環境研究所とも連携し、不具合情報の収集と調査分析、リコール監査等の着実な実施に取り組んで参ります。

 第二は、地域の活性化・再生のための地域公共交通の実現です。
 本格的な人口減少、高齢化により地域経済の規模が縮小し、地域の活力が弱まりつつあります。こうした中、バスは、引き続き通学や通院など地域における移動の足としてなくてはならない公共交通機関となっていますが、輸送需要の長期減少傾向により、事業者や自治体の懸命の努力にもかかわらず、厳しい経営状況にあります。このため、国土交通省では、「地域公共交通確保維持改善事業」により、幹線バスやデマンド交通の運行、ノンステップバスやICカードの導入などに対する補助を実施するとともに、東日本大震災の被災地においては、幹線バスに対する補助要件の緩和等を行っているところであり、こうした支援を本年も着実に実施して参ります。また、本年度からは、昨年11月に施行された改正地域公共交通活性化再生法に基づく地域公共交通の再編に関する計画に基づく地域における総合的な取組みに関し、再編後のバス路線等の運行に対する支援の充実を図るなど、地域公共交通ネットワークの再編に係る支援の充実・強化を図って参ります。
 タクシーについては、運転者の労働条件の改善やタクシーのサービス水準の向上等を実現するため、「タクシー適正化・活性化特措法」が、一昨年秋の臨時国会において、議員立法により改正され、昨年1月に施行されました。この改正法を踏まえ、昨年は、いわゆるタクシーの供給過剰のおそれがあると認められる地域を準特定地域として指定し、需要の活性化を図る取組みを進めるとともに、過度な運賃値下げ競争により、輸送の安全性やサービス水準の低下を防止するため、公定幅運賃制度を導入しました。今後、特定地域についても、できる限り早く指定基準を策定して参ります。また、改正法の附帯決議等を踏まえ、個人タクシーに係る事業の譲渡・譲受が円滑に行われるよう、譲受しようとする者に対する試験制度等の見直しを早期に実施するとともに、10月には、サービス水準に直結する運転者の資質を向上させるため、現在は地域を限定して実施しているタクシー運転者の登録制度を全国に拡大して参ります。引き続き、利用者からのご意見等を踏まえ、また、関係者のご協力を賜りながら、タクシーがさらに安全で、安心して利用しやすい交通機関となるよう取り組んで参ります。

 第三は、国民経済を支えるトラック輸送の適切な発展の確保です。
 トラック産業は、我が国の経済と人々の暮らしを支えている重要な産業です。他方、その担い手のほとんどは中小事業者の方々であり、軽油価格の高止まりや労働力不足などの影響により厳しい経営環境にあります。
 このような状況の中、現在のトラック事業が抱える様々な課題等について、昨年3月から7月にかけてトラック産業の健全化・活性化に向けた有識者懇談会を開催し、当面の取組の整理を行いました。これに基づき、適正取引の推進など正直者が損をしない適正な市場環境の整備に向けた取組や、若者・女性の活躍・定着に向けた対策などトラック産業の活性化に向けた取組を実施しています。
 また、軽油価格高騰対策については、燃料サーチャージの導入促進等を図るため、昨年から11月を適正取引推進(サーチャージ導入・価格転嫁)強化月間と設定し、運輸局・支局によるきめ細やかな対応を実施する等の対策を強化したところです。加えて、トラック輸送の省エネ対策についても引き続き対応を強化して参ります。
 このほか、運輸事業振興助成交付金については、平成23年8月の運輸事業の振興の助成に関する法律の制定から三年が経過し、都道府県からの交付額についても一定の改善が図られてきておりますが、国土交通省としては、今後とも、総務省と連携して法律の趣旨に則った交付が行われるように都道府県に働きかける等、円滑な制度運用に努めて参ります。

 第四は、バス・タクシー・トラック・自動車整備における現場を支える技能人材の確保・育成対策の推進です。
 自動車運送事業等における就業構造の現状は、中高年層の男性労働者に依存した状態であり、女性・若年層の就労者が少ない状況にあります。
 このため、昨年、自動車局内にプロジェクトチームを立ち上げ、現状及び課題を整理し、今後行うべき取組をとりまとめました。具体的には、自動車運送事業等の各事業者における取り組みを促進するため、国としても、効果的な取り組みのガイドライン化や優良事例の「見える化」等の支援を行って参ります。また、自動車整備について、昨年は運輸支局長等が個別に高校を訪問し、校長先生等に自動車整備の仕事に対する理解を深めてもらうための説明を行ったところですが、本年も引き続き実施して参ります。
 さらに、女性の活躍促進に向けた取組も強化して参ります。昨年は、女性も対象とした自動車整備士のPRポスターの作成・掲示を行ったほか、女性トラックドライバー(通称「トラガール」)が働きやすい労働環境の構築に向けて、関係業界への要請等を行うとともに、自動車局のホームページ内に「トラガール促進プロジェクトサイト」を開設しました。トラガールサイトでは、全国各地のトラガールの活躍紹介に加え、トラガールになるための方法等を盛り込んでおり、随時、サイト内容の充実強化に努めて参ります。
 これらの施策により、自動車運送事業等における技能人材の確保・育成に向けた取組をより一層支援して参ります。

 第五は、自動車の環境対策の推進です。
 我が国全体のCO2排出量の約2割を占める自動車分野における温暖化対策、運輸部門におけるエネルギー消費の大半を占める自動車分野の省エネ化に対応するため、以下のような施策に取り組んで参ります。
 まず、環境対応車の開発・普及促進として、2022年度小型貨物車燃費基準などの新たな燃費基準の策定に向け検討を進めるとともに、エコカー減税及びグリーン化特例といった政策税制や事業用自動車に対する低公害車の購入補助制度等を活用した環境性能に優れた車両の普及も推進して参ります。さらに、排出ガスやCO2を多く排出している大型車分野において、既存の大型ディーゼル車に代替する次世代大型車の開発・実用化の取り組みも進めて参ります。
 次に、環境対応車を活用したまちづくり等として、運送事業者等による電気自動車等の集中的導入に係る先駆的な取り組みを引き続き支援するとともに、水素を燃料とする燃料電池自動車の導入支援について積極的に対応して参ります。また、地域の新たな移動手段となる超小型モビリティについては、公道走行を可能とする認定制度を活用した地方自治体等の主導による先導導入を支援する補助事業を引き続き進めて参ります。
 さらに、自動車排出ガス・騒音対策の推進として、ディーゼル車に対するポスト新長期排出ガス規制等の実施、ディーゼル重量車及び二輪車の排出ガスにおける世界統一技術基準の我が国保安基準への導入、乗用車等の国際調和排ガス・燃費試験法(WLTP)の速やかな国内導入、タイヤ単体騒音規制及び四輪車の車外騒音規制における国際基準の国内導入に向けた検討について、それぞれ適切に進めて参ります。

 第六は、自動車の基準の国際調和及び認証の相互承認の推進を始めとした国際展開等への対応です。
 自動車分野における国際化については、自動車の基準・認証制度をはじめとし、検査・登録制度、自動車損害賠償保障制度、バス・トラックなどの公共交通に係る制度等、これまで築き上げてきた安全・環境に係る制度、技術・運用ノウハウ等の「ソフトインフラ」について、アジア諸国をはじめとする新興国への導入支援を図るなどにより、これらの国々の交通安全や環境対策に貢献するとともに、我が国自動車関連産業の国際展開の支援等を図って参ります。
 このうち、自動車基準・認証制度の国際化につきましては、「自動車基準認証国際化行動計画」に沿って活動を進め、乗用車に関する国際基準調和の進捗など着実に成果を上げてきました。今後、さらなる成果を上げるため、本年は、@自動運転をはじめとする新技術に関する国際的な議論への戦略的な参画、A国際的な車両認証制度(IWVTA)の深化・拡大、B新興国の国連協定への加入促進を進めて参ります。また、本年は、「自動車基準認証国際化行動計画」の見直しも予定しています。
 なお、IWVTAの国内制度化につきましては、その早期実現に向け、自動車メーカー等の関係者とも調整しつつ検討を進めて参ります。

 第七は、自動車情報の一層の利活用の推進です。
 自動車関連情報の利活用については、平成25年6月に「世界最先端IT国家創造宣言」が閣議決定されたことを受けて、自動車関連情報における産業革新、イノベーションの創出や、自動車関連手続きの利用環境の向上の視点から、有識者からなる「自動車関連情報の利活用に関する将来ビジョン検討会」を昨年2月に設置し、昨年12月まで10回にわたり検討を行ってまいりました。
 本検討会では、@安全OBDに対応したスキャンツールの共通化、Aテレマティクス等を活用した安全運転促進保険、Bトレーサビリティー・サービスの展開による自動車流通市場の活性化、C検査と整備の高度化・効率化の4つのサービス等を自動車関連情報の利活用の重点テーマとして位置付けるとともに、自動車関連情報の利用環境の向上についても併せてご議論いただきました。今後、最終とりまとめを公表し、年度内に「自動車関連情報の利活用に関する将来ビジョンを策定の上、自動車関連情報の利活用による新サービス・新産業の創出、自動車関連手続きの利用環境の向上」の実現に向けた取組みを進めて参ります。
 自動車の保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)は、従来、警察署や県税事務所に個別に出頭する必要があった新車新規登録の各種行政手続きをオンラインで一括して行えるようにし、申請者の手続きの負担軽減等を図るサービスです。現在、11都府県において利用が可能となっており、その利用率は6割を超えています。OSSの今後の展開としては、平成25年12月に閣議決定された「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」において、平成29年度までにOSSについて全国展開や対象手続きの拡大により抜本的に拡大し、利用者の利便性向上を図るとされています。国土交通省としては、抜本的な拡大の実現に向け、MOTAS・OSSのシステム更改等にかかる予算要求、都道府県に対する積極的な働きかけ等を行っています。これを受けて、都道府県においても、OSS導入に必要な予算要求の実施等、前向きに取り組んで頂いています。引き続き、関係機関と連携・協力しながら、OSSの一層の利用促進について具体的な検討を進める等、OSSの抜本的な拡大・利用者利便性の向上に向けた取組みを行って参ります。
 また、個々の自動車の登録検査は、自動車の流通や国民の財産権の保護のため、国が直接行い、自動車の登録情報を自動車登録検査電子情報システム(MOTAS)で管理しており、極めて重要な社会基盤となっています。仮に大規模災害等により本システムが被災し登録検査業務が停止した場合、全国の自動車取引に重大な支障が発生し、我が国の経済活動や国民の権利保全に深刻な影響を及ぼすこととなります。このような事態が生じないよう、来年1月のシステム更改にあわせ、バックアップシステムの信頼性の向上等を図り、MOTAS等の災害時対応力の強化に向けた対策を進めて参ります。
 さらに2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向け、国民的機運の醸成や意識の高揚を図る観点から、我が国初となる五輪特別仕様のデザインを施したナンバープレートの交付に向けた具体的な方策を検討するため、昨年2月に「2020年オリンピック・パラリンピック東京大会特別仕様ナンバープレート実施本部」を設置しました。国土交通省としては、大会の成功に貢献すべく、五輪特別仕様のナンバープレートを平成27年度のできるだけ早期に交付することを目指し、検討を進めて参ります。

 第八は、自動車事故被害者対策の充実です。
 自動車損害賠償保障制度については、自賠責保険金支払を通じた自動車事故による被害者等の保護の充実に努めているほか、被害者意見交換会における意見等を踏まえ、昨年度から指定を開始した短期入所協力施設について、新たに6施設を指定するとともに、自動車事故被害者が必要とする公的支援制度等を網羅的に集約したパンフレットの作成・配布等を通じた情報提供により、被害者支援の充実を図りました。また、独立行政法人自動車事故対策機構においては、療護施設の設置・運営や訪問支援の充実等を効率的かつ効果的に行うことにより、被害者保護の中核的役割を果たしています。
 今後も、引き続き自動車事故による被害に遭われた方やそのご家族をはじめとした皆様からのご意見を幅広く伺いながら、被害者救済対策の一層の推進に努めて参ります。

 第九は、独立行政法人改革等に係る動きです。
 自動車検査登録業務等のあり方については、一昨年12月24日に閣議決定された「独立行政法人改革等に関する基本的な方針」において、平成28年4月の独立行政法人交通安全環境研究所及び自動車検査独立行政法人の統合及び国の登録業務の一部の統合法人への移管等が盛り込まれました。
 特に法人統合により、自動車の設計から新車、使用の段階までの業務を総合的に実施することが可能となり、例えば、膨大な検査情報からリコールの可能性のあるものを分析することによりリコールの迅速化を図ることや、燃料電池自動車や自動運転システム等の国際標準獲得にあたり、現場での技術情報・知見を持つ世界唯一の研究機関として、国際的な基準提案力・発信力を強化する等、自動車ユーザーの安全・安心の確保と我が国自動車技術の国際標準獲得の両立を実現するために必要な体制構築を進めて参ります。

 近年、人口の減少、少子高齢社会の到来、技術革新の一層の加速化など、自動車を巡る社会経済情勢に大きな変化が生じ始めており、自動車行政においても、従来とは異なる新たな局面への対応が求められています。とりわけ、急激な人口減少、異次元の高齢化、国際化の一層の進展といった時代の潮流の中、自動車分野においても、中長期的な視点をもって、国際競争への対応と魅力と個性にあふれる地方の創生を目指すことが重要です。
 こうした問題意識の下、昨年、交通政策審議会陸上交通分科会自動車交通部会の下に「豊かな未来社会に向けた自動車行政の新たな展開に関する小委員会」を設置し、今後、地方創生や国際競争力の強化等の特に速やかに講ずべき施策をまとめた中間整理を経た上で、最終とりまとめに向け、議論を重ねて参ります。
 
 以上、年頭に当たり、本年推進していく自動車行政の重点施策を述べて参りましたが、自動車局といたしましては、本年も国民及び関係者の方々や社会の期待・要請を的確に把握し、それに十分に応えられるように、地方運輸局等とともに、関係する諸機関・団体との連携を一層密にしつつ、全力を尽くす所存であります。本年も自動車行政の推進に対しまして、より一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
 最後になりましたが、自動車関連の事業に携われておられる皆様が、本年もまたそれぞれの分野において大いにご活躍され、利用者や国民・社会の高い評価と広い支持を得て、一層の発展を遂げられますことを祈念いたしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。(終)