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新しい年を迎えて

陸上貨物運送事業労働災害防止協会会長   川合正矩

  新年おめでとうございます。
  平成27年の新春に当たり、日頃から労働災害防止活動にご尽力いただいている会員事業場の皆様をはじめ関係の方々に心から感謝申し上げます。
  さて、当協会では、陸運業の労働災害を中期的な観点から防止するために、平成25年度から29年度までを計画期間とする「陸上貨物運送事業労働災害防止計画」(以下「5か年計画」という。)に基づき対策の推進を図っております。
  この5か年計画では、労働災害による死亡者数を計画期間中に20%以上減少させ、また、死傷者数を10%以上減少させるなどの目標を掲げ、重点的な労働災害防止に取り組んでいるところです。
  陸運業における労働災害による死亡者数は、平成25年には107人と過去最少となるなど近年大きく減少してきましたが、昨年は前年同期に比べ35%の大幅な増加となりました(平成26年12月現在速報値(平成26年1月〜11月))。その内訳は、交通事故によるものが約半数を占めていますが、荷役作業に関係すると考えられる災害も44%を占めており、前年同期の30%から大きく増加しています。
  一方、休業4日以上の死傷者数は、長期的には減少傾向にあるものの、平成22年から25年までは4年連続で増加し、平成26年も増加傾向が見られたことから、昨年8月に厚生労働省から、死亡災害を含む労働災害防止の緊急要請がありました。当協会では、会員事業場の皆様と、「安全衛生自主点検」の実施や「荷台からの墜落防止対策リーフレット」による意識啓発などにより、緊急要請を踏まえた取組の強化を図った結果、昨年の死傷災害は前年同期に比べ0.5%の減少となり、増加傾向に一定の歯止めがかかったところです(平成26年12月現在速報値(平成26年1月〜11月))。
  しかしながら、陸運業ではまだまだ多くの労働災害が発生しており、5か年計画の目標達成のため、一層の労働災害防止の取組が求められています。
  このため、当協会として、上記の状況を踏まえ、本部・支部一体となって、死亡災害については交通労働災害及び荷役関係災害の防止、死傷災害については荷役関係災害の防止を最優先に、総力を挙げて取り組むこととしております。
  具体的には、平成27年は次の取組を重点として行うこととしています。

  第一は、荷主等と連携した荷役災害防止対策の強化です。
  陸運業の死傷災害の多くを占める荷役災害が、荷主等の構内で多く発生していることから、荷主等と連携した荷役災害防止対策の推進が必要であるとして、一昨年厚生労働省から「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」(以下「荷役ガイドライン」という。)が示されました。
  昨年は、厚生労働省の委託事業として、荷役ガイドラインの周知と荷主等の荷役災害防止担当者への講習会等を全国で実施いたしましたが、本年は、当協会として荷役ガイドラインの周知に引き続き努めるとともに、荷役災害防止担当者教育や荷役作業従事者教育(陸運事業者向け、荷主等向け)を荷主等の皆さまのご理解もいただきながら進めてまいります。

  第二は、リスク低減で安全度の高い職場を実現することです。
  労働災害の減少を着実に図っていくためには、職場のリスクを低減し、労働災害が発生しにくく、発生しても重篤な災害とならない、安全度の高い職場を実現することが重要です。このため、危険予知訓練(KYT)やリスクアセスメントの研修会等を引き続き実施するとともに、積極的に労働災害防止に取り組もうとする個々の事業場を支援する、当協会独自の取組である「特定事業場制度」を、安全管理士や陸運災防指導員の活用により、進めてまいります。
  また、上記のような安全度の高い職場を目指す取組として、個々の作業者の安全で質の高い作業を評価することも効果が高いところです。このため、表彰制度やフォークリフト運転競技大会を引き続き実施するとともに、新たな評価制度についても検討を進めてまいります。

  第三は、交通労働災害等の防止です。
  労働災害による死亡者数の約半分は、依然として交通事故によるものです。また、陸運業では、高年齢自動車運転者の割合が高くなっており、年齢とともに心身機能の変化も見られ、高年齢者ほど労働災害にあうリスクが高いということがあります。
このため、交通労働災害防止のためのガイドラインに基づく取組をすすめるとともに、当協会が取りまとめた「高年齢者に配慮した交通労働災害防止のすすめ方」(パンフレット)等も活用しながら、交通労働災害の防止を推進してまいります。

  陸運業界は燃料価格、人手不足など多くの課題を抱え、厳しい経営環境にありますが、働く方々が健康で、安全に働くことができるということを基本に据え、経営トップが先頭に立った積極的な安全衛生活動が行われるよう、その推進を図ってまいります。
  会員事業場の皆様には、当協会の活動に引き続きのご理解とご尽力を賜りますようお願い申し上げますとともに、「年末・年始労働災害防止強調運動」(12月1日〜1月31日)が実施されておりますこの時期に、「職場の安全衛生自主点検」の実施など労働災害防止の取組になお一層のご高配を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

  この一年が希望と活力に溢れる良き年となりますよう祈念いたしますとともに、皆様方のご健勝とご発展をお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。