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新しい年を迎えて

陸上貨物運送事業労働災害防止協会会長   川合正矩

 新年おめでとうございます。
 平成28年の新春に当たり、日頃から労働災害防止活動にご尽力いただいている会員事業場の皆様をはじめ関係の方々に心から感謝申し上げます。
 さて、当協会では、陸運業の労働災害を中期的な観点から防止するために、平成25年度から29年度までを計画期間とする「陸上貨物運送事業労働災害防止計画」(以下「5か年計画」という。)に基づき対策の推進を図っております。
 この5か年計画では、労働災害による死亡者数を計画期間中に20%以上減少させ、また、死傷者数を10%以上減少させるなどの目標を掲げ、重点的な労働災害防止に取り組んでいるところです。
 陸運業における労働災害による死亡者数は、平成26年には132人と前年に比べ23.4%と大幅に増加しましたが、昨年は前年同期に比べ5.5%の減少に転じました(平成27年11月現在速報値(平成27年1月〜10月)。その内訳は、交通事故によるものが48.8%と半数近くを占め、主に荷役作業に関係すると考えられる墜落・転落災害の16.3%が続いています。
 一方、休業4日以上の死傷者数は、長期的には減少傾向にあるものの、平成22年から26年まで5年連続で増加しましたが、昨年後半から減少に転じ、増加傾向に歯止めがかかりつつあります。(平成27年11月現在速報値(平成27年1月〜10月))。
 このため、当協会として、上記の状況を踏まえ、本部・支部、会員事業者が一体となって、計画的・継続的な安全衛生活動を推進し、死亡災害については交通労働災害及び墜落・転落等荷役関係災害の防止、死傷災害については墜落・転落等荷役関係災害の防止を最優先に、総力を挙げて取り組むこととしております。
 具体的には、平成28年は次の取組を重点として行うこととしています。

 第一は、荷主等と連携した荷役災害防止対策の強化です。
 陸運業の死傷災害の多くを占める荷役災害が、荷主等の構内で多く発生していることから、荷主等と連携した荷役災害防止対策の推進が必要であるとして、平成25年厚生労働省から「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」(以下「荷役ガイドライン」という。)が示されました。
 昨年は、厚生労働省の委託事業として、荷役ガイドラインの周知を含め荷主等の荷役災害防止担当者への講習会等を全国で実施いたしました。本年は、当協会として昨年に引き続き、荷役ガイドラインの周知に努めるとともに、荷役災害防止担当者教育や荷役作業従事者教育(陸運事業者向け、荷主等向け)を荷主等の皆さまのご理解もいただきながら進めてまいります。

 第二は、交通労働災害等の防止です。
 労働災害による死亡者数の約半分は、依然として交通事故によるものです。また、陸運業では、高年齢自動車運転者の割合が高くなっており、年齢とともに心身機能の変化も見られ、高年齢者ほど労働災害にあうリスクが高いということがあります。
 このため、交通労働災害防止のためのガイドラインに基づく取組をすすめるとともに、当協会が取りまとめた「高年齢者に配慮した交通労働災害防止のすすめ方」(パンフレット)等も活用しながら、交通労働災害の防止を推進してまいります。

 第三は、フォークリフト荷役技能検定制度の本格的な実施を図ることです。
 昨年から開始したこの荷役技能検定は、フォークリフト運転者の安全・正確・迅速な荷役作業の技能を評価し認定するもので、技能の向上を通じて労働災害の防止に寄与することを目的とするものです。安全作業はもとよりフォークリフトに係る事故全般の減少につながる有効な制度であることを、陸運業のみならず製造業や流通業等フォークリフト荷役作業を行うすべての事業者に理解されるよう、周知に努めてまいります。
 昨年は、検定2級試験を11月9日に全国9か所で実施しました。本年は、検定2級試験について、実施回数や実施場所の拡大の検討等、積極的な推進を図ってまいります。

 陸運業界は従業員の高齢化、人手不足など多くの課題を抱え、厳しい経営環境にありますが、働く方々が健康で、安全に働くことができる労働環境の改善と、経営トップが先頭に立った積極的な安全衛生活動の推進を図ってまいります。
 会員事業場の皆様には、当協会の活動に引き続きのご理解とご尽力を賜りますようお願い申し上げますとともに、「年末・年始労働災害防止強調運動」(12月1日〜1月31日)が実施されておりますこの時期に、「職場の安全衛生自主点検」の実施など労働災害防止の取組になお一層のご高配を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

 この一年が希望と活力に溢れる良き年となりますよう祈念いたしますとともに、皆様方のご健勝とご発展をお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。