新しい年を迎えて(平成21年)

陸上貨物運送事業労働災害防止協会会長  岡 部 正 彦

 

 明けましておめでとうございます。
 会員事業場の皆様には、日頃、陸運業で働く人々の安全と健康の確保にご尽力をいただき、深く感謝申し上げます。
 また、関係行政機関並びに関係団体の皆様には、当協会の事業運営に格別のご指導・ご支援をいただいておりますことに厚く御礼申し上げます。

 さて、昨年は、平成20年度から24年度までを計画期間とする、陸運業の「労働災害防止5か年計画」がスタートした年でありました。
この計画では、この5年間で、労働災害による死亡者数を20%以上減少させ、また、死傷者数を15%以上減少させるとともに、過重労働による健康障害の防止を図ることなどを目標としています。
 

 陸運業における労働災害の発生状況を見ますと、長期的には、減少の傾向にあります。特に、死亡者数は、平成18年に初めて年間200人を下回り、平成19年には過去最少の196人となりました。昨年も、速報値で見ますと、このような減少傾向がさらに強まっています。
 しかしながら、死亡者数と4日以上の休業者数を合計した死傷者数で見てみますと、最近では年間1万3千人台にまで減少してきていますものの、平成18年・19年には、わずかながらも前年を上回ったという状況にあります。そして、昨年は、速報値で見ますと、平成19年と比べて死傷者数が1割前後増加するのではないかと懸念される状況にあります。

 死亡者数が減少してきているとはいえ、今なお多くの方々が亡くなっておりますことから、引き続き交通労働災害の防止を図るなどにより死亡災害の絶滅を目指していくとともに、死傷災害の多くを占める荷役運搬関係の労働災害の防止を図るなどにより死傷災害を確実に減少させていくことが、陸運業における大きな課題となっております。
 このため、当協会におきましては、事業場における安全衛生管理体制をなお強固なものとするとともに、安全衛生管理活動を計画的に着実に推進していくための取組を引き続き推進していくこととしております。特に、危険性の低減化を図ってより安全度の高い職場を実現するために「労働安全マネジメントシステム」や「リスクアセスメント」の手法が職場に定着し、これらが着実に実践されることとなりますように、また、職場での危険予知活動(KY活動)が確実に実施されていきますように、努力を重ねて参りたく存じます。
 さらに、昨年4月に改正された厚生労働省の「交通労働災害防止のためのガイドライン」の周知・徹底などを通じての交通労働災害の防止、「リスクアセスメントイラストシート」や「安全作業連絡書」の活用を通じての荷役運搬作業における労働災害の防止、そして、定期健康診断の確実な実施と事後措置の徹底、過重労働防止対策や腰痛予防対策の徹底などを通じての労働者の心身両面にわたる健康保持増進対策を推進していくこととしております。


 「年末・年始労働災害防止強調運動」(平成20年12月1日から平成21年1月31日まで)が実施されておりますこの時期に、それぞれの事業場・職場における労働災害防止のお取組になお一層のご高配を賜りますようお願い申し上げます。

 陸運業界は、物流ニーズの多様化が進む中で、国内外にわたる経済不安や景気後退に直面し、さらに、近年の燃料価格の乱高下、長年にわたる運賃水準の低迷やコストの増大など様々な課題を抱え、厳しい経営環境下にありますが、陸運業が物流の中核としてわが国の経済活動と国民生活を支えているという機能を今後とも果たしていくうえでも、そこで働く人々の安全と健康を確保していくことが必要不可欠であります。


 本年は、「労働災害防止5か年計画」の2年目となる年であり、会員事業場の皆様とともに、労働災害防止の取組をなお一層積極的に展開して参ることとしておりますので、引き続きのご理解とご尽力を賜りますよう、お願い申し上げます。

 終わりに、皆様方のご多幸とご発展をお祈り申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。